tender*tender



「あのさアルベル、前皆の名前はどんな意味かって話したよね?(Angel and goddess and child demon参照)」
「あ?確かにしたがそれがなんだ」
「その時さ、ネルさんの名前は何も意味がなくて、しいて言うなら天使の名前っぽいってことになってたよね」
「…あぁ」
「ついさっき知ったんだけど、"ネル"さんの名前は、"フランネル"っていう布の略称なんだってさ」
「布?つか、前何にも意味ねぇって話だったじゃねぇか」
「略称までは気づかなかったんだよ皆。で、それってふわふわの柔らか〜い布なんだって」
「………まぁ確かに柔らかいな」
「…あのさその台詞僕どういう意味でとれば良いわけ?ってかノロケですか?」
「黙れ」
「図星ですか」
「喧しい。前言撤回する」
「えーなんで。ネルさん"柔らかい"んだろ?」
「今思えば、頭固いわ性格固いわ口固いわ雰囲気固いわ拳固いわ…」
「…。拳、ってアルベル、苦労してるね」
「うるせ」
「でもネルさん、この頃雰囲気柔らかくなったと思うよ?」
「はぁ?この頃っていつだよ」
「(アルベルと一緒にいる時なんだけどなぁ…本人気づいてないみたいだなぁ)」
「何か言ったか」
「ううん別に何も?それと、ネルさんの性格が固いってのも違くない?ネルさん優しいよ?」
「…」
「お、認めた?」
「…否定はしねぇがな…」
「ほらやっぱりー。ネルさんと柔らかいって単語、まったくの結びつきがないわけじゃないだろ」



っていうかさ。
お前を見てる時とか、雑談してる時とか、一緒にいて珍しく喧嘩してない時とか。
彼女の視線や表情や雰囲気がどれだけ優しくて柔らかいのか、お前は知らないんだろうな。



「幸せ者だねぇ、アルベル」
「は?」