あの世へのカウントダウン



「ねぇ、あんたの母さんの得意料理って、シチューなんだって?」
「あ?」
「前料理を手伝ったとき、マユが言ってたよ」
「…あ〜…。まぁな」
「へ〜、意外と普通のメニューが得意なんですね、アルベルさんのお母さん」
「だよね。アルベルの母さんっていうくらいだからケーキとかプリンアラモードとかお菓子が得意なのかと思った」
「でもあんたの好物でもあるわけだし、余程美味しいんだろうね」
「………」
「そうなんですか?」
「ふーん、だったら一度食べてみたいな」
「や め と け。死ぬぞ」
「は?」
「別に、毒盛られるわけじゃないし…死ぬってなんの事ですか?」
「毒盛られたほうがマシだってくらい、あいつの料理は殺人的だ」
「はぁ〜?じゃあ、シチューが得意料理ってのはなんなんだよ」
「一番美味しいメニューなんだろう?」
「…あいつにとっての"得意料理"は、"一番"得意な料理じゃなくて、"唯一"得意な料理だ」
「………」
「…ナ〜ンバ〜ワ〜ンになら〜なくても〜いい、も〜とも〜とと〜くべつな〜オ〜ンリ〜ワン〜」
「何歌ってるんだいソフィア」