シンタイソクテイ=アイジョウソクテイ



「ミラージュさん。ずっと思ってたんですけど、クリフさんの手のひらって大きいですよね」
「あら、急にどうしたのですかソフィアさん」
「さっきの買出しの時、出店で一人片手で二掴みまでの飴玉のつかみ取りやったんです。その時通りがかったクリフさんに掴み終えた飴持っててもらったんですけど。そしたら、私が片手で二回分の飴の量、クリフさん片手で悠々と持ってたんですよ。だから相当に大きい手のひらなんだなぁって」



私がそう言うと。
ミラージュさんはおもむろに自分の手のひらをじぃっと見つめて、握ったり開いたり、片手でもう片方の手を合わせたりして、



「…そうですね。彼は身体の大きさに比例して手も大きいですね」
「…なんだか、すごーく説得力あるというか、実体験に基づいたような会心の微笑みですねミラージュさん」
「そうですか?」





きっと。
よく手を握ったり指を絡めたりしているんだろうなと容易に想像できて。
ラブラブだなぁ。
そんなことを思いました。








「クリフ。ずっと思ってたけど、ミラージュさんってすんごく華奢だよな。手首とかめちゃくちゃ細いしさ」
「あ?急にどうしたフェイト」
「さっきの買出しの時、ソフィアに連れられてアクセサリー屋行ってたんだよ。その時偶然ミラージュさんに会って、一緒に選んでたんだけど。そしたら、ミラージュさんが選んだブレスレット、金具をギリギリまで締めないと手首から抜け落ちゃうみたいで。ぱっと見でそうだってわかるくらいだったから。相当に細いんだろうなって」



僕がそう言うと。
クリフはおもむろに自分の手のひらをじぃっと見つめて、握ったり開いたり、親指と、他の四本の指でわっかを作ったりして、



「…そうだな。あいつは身体の細さに比例して腕も手首も細ぇな」
「…なんだか、すごーく説得力あるというか、実体験に基づいたような確信ある表情だねクリフ」
「そうか?」





きっと。
よく手首を握ってあわよくばそのまま押し倒し…いやいや、引き寄せたりしているんだろうなと容易に想像できて。
ラブラブだなぁ。
そんなことを思いました。








「ネルさん。ずっと思ってたんですけど、アルベルさんの腰って細っっっそいですよね」
「ん?急にどうしたんだいソフィア」
「さっきの買出しの時、マリアさんと一緒に"男らしい格好したら女性に見えなくなりますよね"って思ってアルベルさん捕まえて服屋で着せ替え…じゃ、なくって服試着してもらったんです。そしたら、腰が細すぎて締めまくってもベルト穴が無いくらいだったんですよ。だから相当に細い腰なんだなぁって。羨ましいなぁぶつぶつ」



私がそう言うと。
ネルさんはおもむろに自分の腕を動かして、腕で身体の前でわっかを作って、



「…そうだね。あいつは食べる量にまったく比例してないけど細いよね」
「………なんだか、ものすごーく説得力あるというか、自分の体験に基づいたような台詞ですねネルさん」
「そうかい?」





きっと。っていうか絶対。
よく腰に手を回したり抱きついたりしているんだろうなと容易に想像できて。
ラブラブだなぁ。
そんなことを思いました。








「アルベル。ずっと思ってたんだけど、ネルさんってスタイルいいよね」
「あ?急になんなんだお前殺されたいのか?」
「(さわやかに無視)さっきの買出しの時、ソフィアに引っ張られて服屋に行ったんだけどさ。その時ネルさんもいたんだけど、服選んでくれてた店員が均整とれてる素敵な身体ですねってすっごいベタ褒めしてて。やっぱ女の子ってそういうの気にするみたいで、ソフィアまで、ネルさんくらいの胸の大きさだったら良かったのにとか大きさだけじゃなくて形もどうとか言い始めてさーそのときは参っちゃったよ。でもソフィアがそう言うってことはネルさんくらいの大きさがちょうどいいのかなって」



僕がそう言うと。
アルベルはおもむろに自分の手のひらをじぃっと見つめて、しばらくわきわきと軽く動かした後、



「そうだな(きっぱり)」
「………まさか本当に予想通りに行動してくれるとは思わなかった…」
「あ?」
「なんでもないなんでもないよ!」





きっと。っていうか 絶 っ 対 。
よくセクハラ(という一言で片付けてしまおう)しているんだろうなと容易に想像できて。
ラブラブだなぁ。
そんなことを思いました。