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ピピピピ ピピピピ ピピピ… ピッ 「…誰だ？」 「あ、繋がった。よかった、ちゃんと操作できて」 「…ネルか」 「そうだけど。あんたねぇ、登録した相手はちゃんと画面に名前が出てるだろう？見てないのかい」 「あ？あぁ、これか」 「私よりは機械レベルあるんだからちゃんと使いこなしなよ、"通信機"」 「へいへい」 「まったく…せっかくフェイトがくれたのに、あんたには宝の持ち腐れかもね？」 「うるせ」 黙ることが勿体無いと思えるくらいに 「…なんか…会話するのも久しぶりだね」 「そうだな」 「元気？声聞いた限りでは変わりないみたいだけど」 「そこそこ」 「アーリグリフの方は順調に復旧作業が進んでるかい？」 「あぁ」 「クレアから聞いたけど、あんた正式に疾風と漆黒の団長兼任することになったんだって？」 「まぁな」 「…仕事嫌いのあんたがねぇ…。ちゃんと務まるのかい？」 「なんとかなんだろ」 「ま、ウォルター老の負担を少しでも軽くしてあげないといけないしね。…そのうち、風雷の団長も兼ねることになるかもね？」 「考えたくねぇな」 「………」 「…おい？」 「………」 「おい」 「…ねぇ」 「…やっと喋ったか。なんだ、急に黙りこくって」 「もしかして、…疲れてるかい？」 「は？」 「なんだか、相槌が短いし、全部一言で済ましてるじゃないか。…私ばかりが、喋ってるじゃないか」 「…」 「話すのも億劫なくらい疲れてるんなら、もう切るけど…」 「っ待て！切るな！」 「？ 何必死になってるのさ」 「いいから切るな。…別に、疲れてねぇわけじゃねぇが、話すくらいだったら支障ない」 「だったら、…なんで一言で相槌返すのさ。私ばっかり喋って…、…私だけが一方的に喋りたいみたいじゃないか」 「…。それは……」 「やっぱり疲れてた？」 「…」 「…少しでも」 「え？」 「少しでも長くお前の声が聴きたかっただけだ」 「………。は？」 「…悪いかよ」 「…くっ、くくくく…」 「…笑ってんじゃねぇよ」 「いや、ごめんごめん。…でも、それは困ったな」 「あ？」 「私も、あんたの声がもっと聴きたいから」 「………。それは確かに困るな」 「だろう？あんたただでさえ長く話さないし」 「フェイトがくれてよこした般若信教でも朗読してやろうか？」 「はぃ？ハンニャシンキョウ？」 「なんか、無言電話対策にはこれを朗読するといいとか…」 「って、なんでそうなるのさ」 「何かを喋ってる点では同じだろうが」 「そりゃ、声聴きたいだけならそれでもいいかもしれないけどさ。私は会話がしたいんだけど」 「…とか言ってる間に、会話進んでるんだから面白ぇよな」 「…そうだね」 通信機は、遠距離恋愛のつよぉい味方。 だって離れてても一緒にいるみたいだもんね？ |