ただしいスキルのつかいかた



ゼシカのお色気レベルが上がった!
戦闘中に、敵が見とれるようになった!



「…ねぇゼシカ、お色気スキルあまり上げない方がいいんじゃないかな?」
「えっ、どうしてティリス? 戦闘中に敵が見とれてくれればそれだけで有利じゃない」
「…変な虫がつきそうで嫌なんだよね…」
「………」
「ゼシカが色っぽいって知ってるのは僕だけでいいの」
「…ばーか」





ティリスの勇気レベルが上がった!
ティリスはメガンテを憶えた!



「…ねぇティリス、勇気スキルあまり上げないほうがいいんじゃないかな?」
「え、何でゼシカ? MP消費が減るのってお得だと思うんだけどな」
「…勇気って、無茶や無謀に繋がる気がするから…」
「………」
「無茶、しないでよ。…いつも心配かけて」
「…ありがと」





ヤンガスの人情レベルが上がった!
ヤンガスはおたけびを憶えた!



「…なぁヤンガス、人情スキルあまり上げない方がいいんじゃないか?」
「え?何ででガスかククール? マホアゲルとかはMPをあまり使わないアッシに合ったいい特技だと思うんでガスがね」
「…それはいいんだが…行く先々で捨て猫やら捨て犬やらを拾ってくるな! ついでに鳩や雀に餌を与えるな!」
「………うっ…」
「しかもこの頃、口笛を吹くとモンスターでなく猫や犬や鳩や雀ばっか寄って来るじゃねぇか」
「…自粛するでガスよ…」





ククールのカリスマレベルが上がった!
ククールは天使の眼差しを憶えた!



「…なぁククール、カリスマスキルあまり上げない方がいいんじゃねぇガスか?」
「え ?何でだよヤンガス。…あぁそうか、世の女性達が俺に寄って来るのが気に入らない、と」
「違う! …いや、まだそれはいいんでガスが…なんかこの頃民家の影からむさい視線を感じるんでガスが…」
「………」
「ついでに、一生着いてくっス! とか兄貴! とかククールに伝言してくれって、こないだから何度も何度もむさくるしいマッチョが声かけてくるんでガスが」
「…無かったことにしてくれ」